すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


忌宮神社(いみのみやじんじゃ)(山口県下関市)







下関市長府にある忌宮神社は、往古、仲哀天皇が熊襲平定の際に滞在した行宮である豊浦宮の跡とされる。

この忌宮神社には『数方庭祭』という祭が伝わっている。

毎年8月7日から13日まで7夜にわたり忌宮神社の境内で行われる祭で、毎夜男子は幟、女子は笹竹を持って踊り舞う。天下の奇祭として有名らしい。

これは仲哀天皇が熊襲との戦いで自ら弓矢をとって敵を倒し、戦勝の宴で皇軍が踊り回ったことが現在に祭事として継承されているもの。







今回訪問したのは8月12日で、数方庭祭の期間中であった。




社頭、
数方庭祭の大幟が見える



男子は、この孟宗竹の大幟を天高く担ぎ上げ3周する



女子は七夕笹のような笹竹をもって周回する



到着したのは早朝だった。関係者が作業をしていた。



忌宮神社の社殿



「豊浦皇居趾」碑が境内にあった







さまざまな人物によって「豊浦」は詠まれている


白波の立ちながらだに長門なる 豊浦の里のとよられよかし 能因法師(後拾遺和歌集)


堤をば豊浦の宮に築きこめて 世々を経ぬれば水ももらさず 藤原忠平(新勅撰和歌集)


この御代はにしの海よりおさまりてよもにはあらき波風もなし 足利尊氏
足利尊氏が忌宮神社で戦勝祈願を行い1337年に法楽和歌を奉納する


水もらぬ池の心の深さをも豊浦の宮の堤にぞ知る 細川幽斎(九州道の記)


ふるさとの花さへ見ずに豊浦(にひ)防人と我は来にけり 久坂玄瑞


遥々とから((韓))ををさめて忌の宮いみじかるべき大御稜威(おほみい)つかな 高崎正風
これは数方庭祭を詠んだもの













数方庭祭の様子は YouTube で観れます





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