すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


稲倉の里(山梨県韮崎市)






千々の秋つきぬ田のみを稲倉に 穂見の御神のみそなはすらん 日野資矩(甲斐叢記)

此の神の守るめぐみに国富て 民もさかゆる稲倉の里 藤原忠尹(甲斐叢記)



甲斐叢記(甲斐名所図会)のネタ


韮崎市の穴山にある穂見神社は延喜式に載せられた古社であり、近郷の租稲を納める屯倉があったことからこの地は稲倉と称せられた云々、と記載されている。 



上の二首の他、数首が収録されているが、歌の内容は秋の収穫の喜びと神への感謝が中心であった。

私は農家出身ではないので、その辺りの事情はピンとこないが、昔は雨乞いとか収穫祭とか、稲作は信仰と強く結びついていたのだろう。









穂見神社の社頭




石のアーチ橋があった。




由緒碑
「・・・(前略)延喜式記載の古社で逸見諸郷の租稲を収める官庫の鎮守に祭祀されたと伝えらる又稲倉に鎮座するを以て稲倉明神とも称された(後略)・・・」




穂見神社の周り、八ヶ岳方面(北向き)
訪問したのは8月10日、今年は豊作なのかな




これは東方向、茅ヶ岳。八ヶ岳と似ていることから「ニセ八つ」と呼ばれているとか。




南向き、富士山。




いやはや、「稲倉の里」の名に恥じない豊穣な土地であった。














夏は高い山には雲がかかるので残念です。







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