廬井川（滋賀県栗東市）

近江なるいほの井川の水澄みて千歳の数の見え渡るかな

夫木和歌抄

国も狭(せ)に作れる御世(みよ)の田に立てるいほのゐ川の水のさやけさ

大中臣能宣

廬井川(いほのゐがは)は現在の金勝川(こんぜがわ)。滋賀県栗東市を流れて草津川に合流する。

古代から廬井という地名があって、地名を由来とする廬井造一族が当地を支配し、この一族から壬申ノ乱で近江軍として戦った蘆井鯨がでた。

「いほのゐ」は「五百井」とも表記される。

『五百』は、数が多く、慶祝性があるということで、大嘗会和歌に詠まれたようだ。

■ これが現在の廬井川

ふつうの川だった

■ 五百井神社

廬井川の北岸に五百井神社が鎮座している。
「日本歴史地名大系」（平凡社）によると、廬井川には重要な用水井があったと推定され、井堰の守護神として奉祀されたという。

ただ、２０１３年の台風で神社の後背斜面が土砂崩れを起し、本殿拝殿は全壊した。

背後の谷筋で土砂崩れが起こり、神社を直撃した

２０２４年訪問、社殿は新築されていた

「五百井神社本殿再建の記」の石碑、その傍らに「廬井の水」

「廬井の水」、なにか由緒があるのかな