すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


入間(いるま)(埼玉県入間市)








入間路大家が原のいはゐ(づら)引かばぬるぬる吾にな絶えそね 万葉集


「入間」の歴史は古い。

入間郡が7世紀頃に成立。上野国と結ぶ道は入間路と呼ばれ、往昔から交通の要衝であったようだ。

歌の意味は、蔓がヌルヌルしているように、私との仲はずっと続く、というような感じ。

大昔にヌルヌルというような副詞が使われていたとはビックリ。








家を出でてまことの道に入間川流るる水の心ともなが 信生法師日記


雲分くる日影の末も夏草に入間の里や夕立の空 法印尭恵(北国紀行)



これらの歌は「入間」と「入る」を掛けたもの。

詠み手はどちらも旅の僧侶なので、実際に現地を訪問しているのだろう。








入間川
台風接近しており増水していた


これも












「入間」自体、それなりの歌枕になりそうなポテンシャルはあります





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