すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


率川〜いさがわ〜(奈良市)



率川は、春日大社の裏手付近から発し、小さな小川となって飛火野を横切り、途中いくつかの池を経て、市街地に至る。
猿沢池には入らず、また猿沢池からも水は注がれていないが、猿沢池の南縁の土手の下を通る。
その後は暗渠となっている。
最後は佐保川に注いでいるのだろう。 




はねかづら 今する妹を うら若み いざ率川の 音のさやけさ 万葉集
はねかずらを挿した乙女がまだ若いので、いざ誘おうかなと思うような、
率川の流れの清々しさ

「いざ」と「いさ(川)」を掛けているが、それほど印象に残る歌ではない。



猿沢池付近。奈良ホテル方面の暗渠から出てきたところ。


右手が猿沢池の土手
もし猿沢池が溢れたら、率川に流れ込むのであろう。


中洲があり、石仏が集められていた。


地表流はこの付近で終り、市街地では暗渠となる。




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奈良市本子守町に率川神社があり、境内に万葉歌碑がある。


大神神社の摂社



上記の歌の歌碑



現在この神社近くの地下を率川が流れている。








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