すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
石部(滋賀県湖南市)
滋賀県の石部は東海道五十三次の宿場として有名で、その前の時代には石部城があったりした。 古典文学の和歌の世界では、なんと万葉時代から石部は詠まれているのだが、近くを流れる野洲川の川原の情景や、周辺の山を詠み込んだものが中心。 【石部を詠んだ歌】 |
白真弓 石辺の山の 常盤なる 命なれやも 恋ひつつ居らむ | 万葉集 |
夏衣ゆくてもすずし梓弓いそべの山の松の下風 | 藤原定隆(新勅撰和歌集) |
横田山いしべ河原の蓬生に秋風さむみ都恋しも | 鴨長明 |
ここは鈴鹿山を越える街道沿いであり、古来、多くの人が往来したので、それなりに和歌も詠まれたのだろう。 【石部宿】 旧東海道を歩いた時の写真 ![]() 駅前の公園入口 ![]() 西縄手跡 ![]() 現在の石部宿の街並み ![]() これも 旧宿場町の街並みはそれなりに保存されているが、石部という地味さゆえに観光客が来るようにも思えない。 |