すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


石津(大阪府堺市)





石津って、堺市の臨海寄りにあるマイナーな町名、と思いきや、更級日記で和歌に詠み込まれるほど由緒ある町であった。



更級日記では、作者の菅原孝標女の弟が和泉守をしていた時に、弟を訪ねて和泉国まで行ったときの様子が記されている。

往路は、京都から船で淀川を下り、そのまま大阪湾を南下して泉大津に上陸、和泉府中(当時は和泉国の国府があった)に向かった。
帰路、再び泉大津から船に乗り込もうとしたところ、台風がやってきたので、5,6日間船を出せなかった。
台風の到来がもう少し遅かったら、船は出発しており、沖合で台風の直撃を受けて沈没していただろう・・・


・・・そしてこの歌、

荒るる海に風よりさきに船出して石津の浪と消えなましかば  菅原孝標女
(私訳)台風到来より早く海に船を漕ぎ出して
石津で波にのまれて消えていたならば

(どうなっていたことやら)




仕事で石津からタクシーに乗ることがあったので、その前に石津周辺をぶらぶらしてみた。


       
             南海本園の石津川駅



普通電車しか停まらない。


       
       駅前に昔の石津の風景写真が展示されていた。
       風車で有名であったらしい。


       
       駅前のロータリーに風車をモチーフにしたオブジェ
       があった。


海の方向(西方)

歌に詠まれている石津の海を見ばやと、歩いてみたが、
高度成長期に埋め立てられて、海岸線ははるか遠くに行ってしまった。












次の写真は石津川


JR津久野駅付近


どうってことない写真だが、手元にあったので掲載。
 






 MAP




あらかじめ想像していたけど、本当に地味なページになりました。





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