すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


石上(いそのかみ)(奈良県天理市)




奈良県天理市の石上神宮に行ってきた。
えーと、たしか物部氏の武器庫があったということを何かの本で読んだ覚えがあるのだが、今となっては普通の格式高い神社になっていた。

「山の辺の道を歩く」(二川勝美著)という山辺の道のガイドブックによると、とにかく古代史上、兵器を祀る独特の神宮として、歴代天皇の崇敬はことのほか厚かったという。

文学的には、「石上布留(いそのかみふる)」と続けて古いものの象徴として和歌に詠まれている。「石上」は布留山の麓にあり、「石上」と「布留」は不可分のつながりがある。
(「布留」の項目を参照願いたし)


「石上」関連の歌を紹介。


石上布留の神杉神びにし我れやさらさら恋にあひにける 万葉集
石上の布留の社の年ふりて神々しい神杉のように年老いた私が、
今さら思いもかけず恋にとりつかれてしまったよ。
(天理市のホームページより)
 


石上神宮外苑公園に歌碑


いそのかみ古きすみかへ分け入れば庭のあさぢに露ぞこぼるる 西行法師
いそのかみ古きをしたふ世なりせば荒れたる宿に人住みなまし 西行法師
石の上古き都のほとゝぎす 声ばかりこそむかしなりけれ 素性法師古今和歌集
年をへていひふるさるゝ石上 なおたにかへて世を経てしかな 藤原公実
染め返へしいくしほ経てか石上ふる松葉を結びおくかな 小大君
立ちかへり思ひ出づれど石上 ふりにし恋は忘れたりけり 紀 友則
石上ならの都の初めより ふりにけるとも見ゆるころもか 奥義抄


これを見ると全部の和歌に「ふる」(古、降る、経る)がつながっていて、多分、歌の世界では「石上」には「ふる」をつなげるのがお約束だったみたい。
今回改めて感心した。



石上神宮の入口


拝殿


左手にあるのが鏡池
この池には珍しい馬魚(ワタカ)が棲んでいるらしい。



境内ではニワトリが放し飼いになっていた。
なにか由緒があるのかな?




さて、境内にこんな歌碑があった。
裏を見てみたがよく分からない。
家に帰ってインターネットで検索したが、よく分からない。
なんの歌碑なのか知ってる人、教えてください。

石上神宮境内に歌碑












このページを作りながらも、何が何だか分からなくなってきました。




copyright(C)2012 すさまじきもの 〜「歌枕」ゆかりの地☆探訪〜 all rights reserved.