すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


石村(いわむら)の森(岡山県吉備中央町)





主基田ゆかりの地



岩牟良神社の社頭にある由緒書きによると、

霊亀元年(715年)、この地に熊野三所権現を勧請して権現社を創建。多気郷の氏神、首神として「竹荘総社権現宮」と称した。

権現宮の社叢は「いわ村の森」と呼ばれ、備中国の名所であったという。
そして「いわ村の森」は天皇即位の主基田の和歌として二度も奉献されたもの。

維新後、明治政府から権現宮の称号は神社としてふさわしくないと変更を迫られたことから岩牟良神社と改称したが、これは主基田の和歌に由来するもの。


以上のような経緯があるらしい。
権現とは、仏様が仮の姿として神様となって現れたものなので、神仏分離、国家神道を進めた明治政府としては容認できなかったのだろう。







主基田の和歌


君が代はまさごのなれる石村を 山のたかねにあふぐべきかな 藤原家経


道ありと木のもと草のかきはまで 我が代をいは村の森 主基方巳日楽破隆教

岩牟良神社社頭の由緒書きにこの二首が刻印








■現地訪問

岩牟良神社 ・・・ 加賀郡吉備中央町竹荘1074


鳥居の奥が岩牟良神社。
この社叢林が備中国の名勝「いわ村の森」なのだろうけど、特に印象に残るような景観でもなかった。



岩牟良神社の社頭



拝殿
岡山の古い建物の屋根が朱色なのは、なにか理由があるのかな、ベンガラとか



本殿



岩牟良神社と名勝「いわ村の森」



社頭からの眺望。
豊かな田園が広がっていた。
まさに主基田ゆかりの地にふさわしい風景である。














この森が備中の名勝だったとは・・・






copyright(C)2012 すさまじきもの〜「歌枕」ゆかりの地☆探訪〜 all rights reserved.