すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


岩屋(岡山県総社市)





桃太郎伝説で有名なメジャー観光スポットの鬼ノ城を過ぎて、更に奥へ進んだところに窟山がある。
こちらも鬼関連の伝説が残るが、鬼ノ城に比べていかにもマイナーな存在。
どちらも駐車場からかなり歩くので、今回は鬼ノ城はパスし、歌枕である岩屋山に直行した。


訪問したのは、新型コロナウイルス感染拡大が広がる2020年6月のこと。
観光地はどこも閑古鳥が鳴いていた。
マイナーな岩屋山には、文字通り人っ子一人いなかった。


駐車場で車を降り、小ぬか雨が降る中、現地の案内板を確認。

目的地の「鬼の差し上げ岩」まで1キロ近く山道を歩く必要がある。
ヘビとクモが怖くて怯んでしまい、「ここまで来たのだから満足して帰ろう」という気持ちと「ここまで来たのだから怖くても行こう」の気持ちの間で揺らいでしまった。



子供が小さかったときは平気であったが、最近は怖くて仕方がない。



あまり人は歩いていないので、クモの巣が目の前にあり、棒を上げ下げしながら歩いた。



こんな廃屋があった。
屋根は壊れかかっているが、郵便ポストがあったりして、何年か前まで人が住んでいたようだ。
雨の夜とかは、大きなムカデが絶対出そうだ。



石段が出現。大変だった。



「鬼の差し上げ岩」
地名の岩屋の由来の岩とされる。



この穴の中に鬼が住んでいたとか。



穴の中からヘビが出てこないか心配で、これ以上近づけなかった。



ゲジゲジやマル虫も苦手



すぐそばに岩屋寺毘沙門堂








こんな岩屋山を詠んだ歌


動きなく千世をぞ祈るいはや山 取る榊葉の色かへずして 藤原経衡(千載和歌集)


千早振る神も君をぞ待ちけらし 石屋(いわや)の山のその戸開けり 大嘗会和歌集


過ぎにけむほどをば知らず行末も 久しかるべきいはや山かな 藤原為政(大嘗会和歌集)


神代より天の押し手の動ぎなき しるしに立てる石屋(いわや)かな 藤原清輔(万代和歌集)


深みどり玉松が枝の千代までも石屋(いわや)の山の動かざるべき 藤原頼資 (勅撰和歌集)





大きい岩なのでとても動かない、という感じで使われている。


















寒い時期に行けば虫はいないのだろう。






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