すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


泉川(京都府木津川市)




「泉川」は今の木津川のこと。

淀川水系の木津川は、三重県伊賀市で柘植川と服部川が合流して西流し、京都府南部の木津川市で北へ流れ、京都市伏見区で淀川に合流する。

「泉川」は流域の地名と合わせて詠まれることが多い。

上流から、「笠置山」「みかの原」「鹿背山」「恭仁の都」「狛山」「柞の森」などである。


五月雨は水上まさる泉川笠置の山も雲隠れつつ 藤原俊成


泉川と笠置山と笠置大橋





都いでて今日みかの原いづみ川かは風さむし衣かせ山 古今和歌集


泉川と鹿背山(後ろの山)、右手はみかの原





泉川いつより人のすみたえて久迩の都は荒れはじめけん 源兼氏





狛山に 鳴くほととぎす 泉川 渡りを遠み ここに通はず 万葉集


狛山付近の泉川





時わかぬ浪さへ色にいづみ川柞の森に嵐吹くらし 新古今和歌集


泉川(右)と柞の森(左)






その他、泉川の別名である沢田川でも詠われている

五月雨に水まさるらし沢田川まきの継橋うきぬばかりに 藤原顕仲
五月雨で川の水嵩が増え、真木でできた継ぎ橋も浮きそうになってる 












京田辺市付近の泉川。
昔はここら辺に「飯岡の渡し」があった。



飯岡の渡し碑



こんなモニュメントまであった。



測量の作業員が川を歩いて渡っていた。















木津川は地形観察の宝庫です





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