すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
相別れわれは東に君は西にわかれてのちも飲まんとぞおもふ | 若山牧水 |
かみつけのとねの郡の老神の時雨ふる朝を別れゆくなり |
慈眼山 舒林寺 (群馬県沼田市材木町15) 舒林寺は、宝徳元年(1449)創建の曹洞宗の寺院。 境内には沼田藩の四代目藩主の真田信政の次男で、家臣を惨殺したのちに自刃した真田信守の墓がある。 ![]() 舒林寺の山門 ![]() 本堂 ![]() 若山牧水の番傘のモニュメント 番傘の上の徳利は酒好き牧水のアイコン ![]() 上掲の二首が刻印されている え〜、結論から言うと、訪問する場所を間違った。 旅と酒の歌人、若山牧水が上州の温泉地を訪ね、旅先で歌を詠み、酒を飲み、地元の短歌愛好家たちとの邂逅を描いた紀行文「みなかみ紀行」。 今回、群馬県への巡検旅行に先立ち、名高い「みなかみ紀行」を読み、訪問地を計画していった。 その中で、沼田から老神温泉まで牧水を送ってくれたK-君との別れの場面で、K-君が買ってきた番傘に別れの歌を書き込んだ逸話がとても印象的であり、是非その場所に行ってみたいと、群馬県の訪問先リストにノミネートした。 そしていろいろと調べていくと、沼田市の舒林寺には番傘のモニュメントがあるということが分かり、訪問地はここだ!と決定してしまったもの。 実は・・・ ・沼田で地元メンバーたちと宴会をした次の日、K-君が牧水を老神温泉まで送ってくれた。 ・翌朝、降っていた雨が小降りになり、K-君が番傘を買ってきてくれた。 ・牧水は老神温泉を出立する際に、K-君の番傘に惜別の歌を書き込んだ。 ・K-君は、有名な牧水の直筆の番傘を、自らの菩提寺である沼田の舒林寺に奉納した。 ・舒林寺は牧水の番傘を模して、句碑を建立。 つまり、牧水とK-君が別れたのは老神温泉のこと。 舒林寺はたまたまK-君から番傘を奉納した縁で番傘の句碑を作ったものの、それだけのこと。 二首のゆかりの地は老神温泉で、老神温泉へ行くべきであった。 今回、このページを書こうとして、再度「みなかみ紀行」を読み直したことにより、問題が発覚したもの。 |