すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


十輪寺(京都市西京区)





伊勢物語 第百二十五段

むかし、男、わずらひて、心地死ぬべくおぼえければ、

つひに行く道とはかねて聞きしかど 昨日今日とは思はざりしを 在原業平





伊勢物語の終段であり、この歌が在原業平の辞世とされている。
いつか自分も死ぬものとは分かっていたが、まさか昨日今日の急なこととは思わなかった、という感じ。
初段、奈良の春日野に現れた初冠の若者が、長い物語の末に人生の終焉を迎えるという、むかし男・業平の一代記のエピローグである。


さて、京都西山の十輪寺は、在原業平が晩年に隠棲したとの伝承がある。境内には業平の墓と伝わる供養塔があり、また塩竃の旧跡が復元され、業平桜や業平もみじなどの古木があることから、通称「なりひら寺」と呼ばれている。











そんな、伊勢物語フリークにとっての聖地へ訪問してきた。


十輪寺 ・・・ 京都市西京区大原野小塩町481

山門。すでに名刹モードが全開で感じる。



庭園入り口



桜が散った後だったためか、ちょうど新型コロナウイルス感染拡大のまん延防止措置の期間であったためか、境内は閑散としていて、それがかえって当山の寂寥感を醸しだしていた。



業平紅葉



鳳輦(ほうれん)形と言われる珍しい屋根の本堂



本堂内



本堂から渡り廊下が続く



渡り廊下から向かいの襖絵(ふすまえ)が見える



これは何だろうか
塩竃で塩焼きしているのかな



庭園の池



これが在原業平の墓



塩竃が復元されていた



中庭に生えているのが業平桜







都名所図会「小塩山十輪寺」 (国際日本文化研究センター」)














大満足の訪問でした






copyright(C)2012 すさまじきもの〜「歌枕」ゆかりの地☆探訪〜 all rights reserved.