すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
『六十余州名所図会 甲斐 さるはし』(歌川広重)
Wikipedia
歌川広重が全国六十余州の名所を描いたなかで、甲斐国の代表的な景勝地として猿橋が選ばれている。 現在でも国の名勝に指定され、山梨県の代表的な観光地になっている。 江戸時代には錦帯橋や木曽の箋とともに「日本三奇橋」として知られていた。深い谷を ![]() これが甲斐の猿橋 ![]() 刎木。 雨で腐食しないように屋根が付けられている。 ![]() 猿橋は現在でも渡ることができる。 ![]() 想像以上に深い谷であった。紅葉がきれいだろう。 猿橋から見える現在の新猿橋。こちらはアーチ橋。 西向き。 ![]() 東向き。手前は東京電力の水路橋。 ![]() 水路橋を上から眺めた。水力発電所用の水を送っている。水路橋も向こうのトンネルも国の重要文化財。 猿橋を詠んだ歌 |
名のみしてさけぶもきかぬ猿橋の 下にこたふる山川の声 | 聖護院道興(廻国雑記) |
谷深きそばの岩ほのさる橋は 人も梢をわたるとぞみる | 聖護院道興(廻国雑記) |
水の月なほ手にうとき猿橋や 谷は千ひろのかげの川せに | 聖護院道興(廻国雑記) |
いろいろ探してみたが、猿橋を詠んだ歌は少ない。 聖護院の門跡の道興は、東国巡りの旅で実際に猿橋を訪問している。 猿橋の構造が複雑なためか、実際に見た人でないと詠めないのだろう。 |
さるはしや腹にこたへる雉子の声 | 杉坂百明 |
若葉かゞやく今日は猿橋を渡る | 種田山頭火 |
猿橋や吹まとまつて氷る風 | 倉田葛三 |