すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
柿本人麻呂(万葉集) |
なにかと謎の多い万葉歌人の柿本人麻呂であるが、彼が死んだ場所も謎のベールに包まれている。 というか、死んだ場所は地震で海の底に沈んでしまったので、その謎は一層深まってしまった。 いやはや、長年歌枕巡りをしてきて、海が陸地化した歌枕は数多あったが、海に沈んだ歌枕は初めての経験である。
伝承によると、725年頃に柿本人麻呂は益田市の高津川河口沖にあった鴨島で死を迎えた。鴨島には柿本人麻呂を祀る祠が建てられた。その後、1026年に地震で鴨島は海に沈没。 海に沈んだ歌枕の眺望ポイント ![]() 「柿本人麿終焉の地 鴨島趾展望地」の石碑が建っていた ![]() この方角に鴨島があったとのこと ![]() 現地の案内板にあった地図 ![]() 台風通過の翌日だったため、素晴らしい波が立っていた サーファーが集まっていた なんと、このページを作成していた2023年9月、ヤフーニュースで地元の高校生が鴨島を模型で再現したという、極めて牧歌的なニュースが流れてきた。 |
南国の離島のような雰囲気の島ができたようだ。 さて、益田市には柿本人麻呂ゆかりの地として柿本神社の総本山が鎮座している。 ■ 柿本神社 ・・・ 益田市高津町 上市イ2612?1 ![]() 海に沈んだ鴨島にあった祠を当地に遷移したもの 地震の津波を避けるために高台に建立 ![]() 鳥居をくぐり、石段を上っていく ![]() 楼門を過ぎて、さらに石段が続く ![]() 石段の左右には歌に関する豆知識のような掲示があったが、見るような余裕もなかった ![]() 拝殿 ![]() 拝殿の横に人麿公像 歌聖、柿本人麻呂を祀る神社だけに、いつの時代も歌人たちの崇敬を集めてきたようだ。 |
石見路に 歌の神あり 秋の月 | 山村寥村 |