すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


唐崎(大津市)




広重の近江八景、「唐崎夜雨」 (Wikipediaより)




夜でもなく、雨でもないタイミングで訪問。
現在はこんなかんじ。

広重が描いたのは2代目の松。大正年間に枯倒。
現在は3代目で、これまた見事な枝振り。


唐崎の松は花より朧にて 松尾芭蕉

唐崎の松のところに句碑





花の咲くためしもあるを、この松のふたたび青き緑ともがな 三条西実隆
唐崎の松が枯れかかっていたのを見て、
この歌を書いて松に掛けると、
まもなく葉が青々と生い茂ったという。





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唐崎神社

婦人科系の病気に霊験あるらしい。



湖畔の松



「近江八景 唐崎の夜雨」の石碑


清少納言の枕草子でも「崎は唐崎、三保の崎・・・」と名所として記されている。現地にいた時はわからなかったが、地図で見るとたしかに岬のような地形になっている。そんな地形なので、古代から船着き場になっていたようだ。

そこでこの歌

さざなみの 志賀辛崎 幸くあれど 大宮人の 船待ちかねつ 柿本人麻呂(万葉集)
ささなみの志賀の唐崎は昔と変わらずにあるけれど、
大宮人の遊ぶ船はいくら待ってももう見ることができません。
(歌碑の説明書きより) 


湖岸緑地唐崎苑に歌碑





これが唐崎にあった現在の船乗り場!!

近江朝の貴人たちはこんなかんじで舟遊びに出掛けたようだ。









見ごたえのある訪問地でした。





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