すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
苅萱の関(福岡県太宰府市)
刈萱の関の史跡を訪れて、「刈萱」ってどこかで聞いたことあるな〜と思ったが、なんと和歌山の高野山が舞台の「刈萱道心と石童丸」という説話のゆかりの地であった。 高野山関連の物語集に必ず収録されている有名な話である。 どんな物語なのかというと、
いやはや落涙数行を禁じ得ないものがある。 高野山には、刈萱道心が修行したと伝わる密厳院の刈萱堂があり、観光地になっている。 そんな刈萱道心が住んでいた刈萱の地であるが、ここには大昔から大宰府の関所が設けられていたようだ。本当に大宰府の政庁跡のすぐ近くにある。 刈萱の関を詠んだ歌が残っている。 |
苅萱の関守にのみ見えつるは 人も許さぬ道辺なりけり | 菅原道真 |
数ならぬ身をいかにとも事とはば いかなる名をかかるかやの関 | 宗祇(筑紫道記) |
どちらも関守とのやり取りを詠い上げている。 刈萱の関があったところ 刈萱の関跡 向こうには、3号線バイパスがあったり、西鉄の天神大牟田線が通っていたり、やはりこの地は昔から交通の要衝であったようだ。 刈萱の関の前の道、日田街道とのこと。 いかにも昔の街道の雰囲気があった。 近くにあった地蔵尊。右の手前に「関屋」の小字標。 近所の橋の名前も「刈萱橋」 |