すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


柏原(滋賀県米原市)




JR西日本には「柏原駅」が三つあるが、それぞれ読み方が違う。


 柏原駅(かしわばら) 滋賀県米原市
 柏原駅(かしはら)  大阪府柏原市
 柏原駅(かいばら)  兵庫県丹波市


子供のころ、鉄道好きの友達とクイズの出し合いをやった。







そんなことはどうでもいいのだが、中山道の宿場町の柏原宿ってなんとも地味である。
中山道の中ではそこそこ大きな宿場町だったようだが、現在に至るまでこれといったエピソードもないし、かと言って絶景の地でもないし、おもしろい地名でもないし、また当宿の名物はと言えば、「伊吹もぐさ」(お灸用)で、これも本当に地味なものである。(ユーザーからは一定の評価を受けていたようだが)

こんな様子なので、いくら中山道の宿場町と言えども、この柏原をモチーフにした和歌はほとんど知られていない。
(当方が探しきれていないのだが)


こんな中、江戸時代の古典学者である一条兼良が美濃へ旅行した際に、柏原を題材にした歌を詠んでいる。


吹く風やまだ来ぬ秋をかしわ原 葉びろが下の名には隠れず 一条兼良(藤川の記)


「柏原」と「柏手を打つ」を掛けている。
「葉広柏」のなかの「柏」は隠すことはできないという感じで、よく分からない。どうもダジャレを決めようとして、ちょっと手が込みすぎてうまく決まらなかったという感じ。



現在の柏原宿は自治体がよく保存している様子で、きちんと街並みが残されている。
ただし観光客はあまりいない様子で、きちんと保存がされているだけに、なんとも残念な雰囲気であった。









こんな感じ


【柏原宿】 ・・・ 滋賀県米原市柏原

<連続写真>

ふれあい会館と櫓













たしかにこれらの写真を見ても、観光客はいないようだ。






木曾街道六拾九次「柏原宿」(歌川広重) Wikipedia

伊吹もぐさのお店が描かれている。
















追 記
2024/4/2

柏原宿を詠んだ歌を“発見”した

おひくだる山の裾のゝ柏原 もとつ葉交り茂るころかな 冷泉為相






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