すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
柏の島(岡山県倉敷市)
もともと、倉敷の玉島の沖合にあった島。 柏の木がたくさん生えていたことから柏島となったらしい。 平安時代末期には、源平争乱で平氏の陣地となり、隣の乙島に陣地を置く源氏との間で水島合戦が行われた。 江戸時代、干拓が進み本土と陸続きになった。 現在では普通の丘陵地になっている。 ![]() 柏島神社がある丘陵地を、乙島側から眺める。 ![]() 乙島の円乗寺から、良寛ゆかりの円通寺を水路越しに眺める。 柏の島を詠んだ歌 |
しじに生ふる柏の島の青柏、祈りわたりて卯月にぞ採る | 藤原家経(大嘗会和歌集) | |
びっしりと生い育った柏島の青柏は、念入りにお祓いをし、 お祈りをして、天子様のご即位の祝典用として 卯月の吉日に採取するのであるよ (おかやまの和歌/岡山県郷土文化財団) |
柏の木は落葉樹ながら、秋に枯れた葉が、翌年に新芽が出るまで枝に付いたままであることから、代が絶えないということで縁起の良い木だとされている。 |