すさまじきもの ~歌枕探訪~


(かすみ)の里(鳥取市)





和泉式部は、因幡国で生まれたという伝承が地元ではあるようだ。

鳥取市には、和泉式部の産湯の井戸や、胞衣塚(へその緒を埋めた塚)が史跡として整備されている。

和泉式部の伝承地は全国各地にあるので、特に感想はないのだが、伝承の中で和歌が詠まれているので、とりあえず訪問することとした。






【和泉式部産水の井戸】 鳥取市湖山町南1丁目



まずは産水井戸へ。ここはグーグルマップに載っていない。経緯度は 35.515238, 134.179226 辺り。道沿いに案内の標識がある。上の写真の左の建物と右の駐車場の間に小道があって、中に入っていく。



一般の住宅の裏手に井戸があった。



周りの家の中が見えないように、竹の囲いがあった。
現地の案内板より
和泉式部は平安中期の歌人で因幡守大江雅致の娘で和泉守橘道貞の妻である。第66代一条天皇の中宮彰子に仕え情熱歌人として有名である。産湯の井戸は御井津(おいつ)の井戸とも言われ、水質は湖山随一で式部が生まれたときに産湯に使われたと言われる。(後略)

果たして年間に何人の観光客が訪れるのか分からないが、きちんと整備されていた。






【和泉式部の胞衣塚】 鳥取市湖山町南1−516



次に和泉式部の胞衣塚へ向かった。正に住宅街の中にあって、車を駐車する場所がなく、大変だった。上の写真の白い車の手前にある。



こんなかんじ。



この奥に和泉式部の胞衣塚。実際のところ、へその緒を埋めた場所とかに興味がないのだが、まあ、なんとなく訪問。
ここはグーグルマップに史跡として登録されていた。





和泉式部が詠んだ歌


春くれば花の都を見てもなお (かすみ)の里に心をぞやる 和泉式部


この辺りは近くの湖山池の影響で霞がよく発生するようだ。和泉式部は、京都の春の霞を見ると、ついつい湖山池畔の自分が生まれ育った里を思い出すという内容。この歌の影響でここは「霞の里」と呼ばれるようになったらしい。








湖山(こやま)池】


日本で最大の天然池とのことだが、どんな基準なのだろう。春は霞がかかって見えることから「霞湖」と呼ばれているとのこと。



霞湖のほとりに霞の里があるということ








六十余州名所図会、因幡国、「加路小山」

(Wikipedia)

「加路小山」の『小山』は、『湖山』のこと













湖山池って、湖と山と池と、地形用語が三つも並んでいて
なんとも無粋です。






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