すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


片岡の森(京都市北区)




片岡社(かたおかのやしろ)は、上賀茂神社の境内摂社であり、縁結びの神様として有名。
御祭神「賀茂別雷大神」の母君である「玉依比売命」を祀ったお社だからという理由はよく理解できないが、なんと紫式部もこのお社に通っていて、ひそかに吉縁を願っていたらしいというので、ご利益があるとのこと。


といって、紫式部が良縁に恵まれていたとは思えないのだが。



これが縁結びの神様の片岡社
この後ろにある森が「片岡の森」



ここの絵馬はハート形。紫式部のイラスト付き。



片岡社を前にカップルが立ち止まって何やら悩んでいた。




そんな紫式部が当社に参拝祈願した際に詠んだ歌


ほととぎす声待つほどは片岡の森の雫に立ちや濡れまし 紫式部(新古今和歌集)
ホトトギス(将来の結婚相手)の声を待っている間は、この片岡の社の
梢の下に立って、朝露の雫に濡れていましょう。
(現地の案内板より) 


片岡社の南の「岩上」の灯篭横に歌碑


何度も書くけど、紫式部がそれほど恵まれた結婚生活を送ったとは思えない。かなり歳をとってから親子ほどの年齢差がある藤原宣孝と結婚し、一女を儲けたが、数年後に夫と死別。その後は中宮彰子のもとに出仕したが、藤原道長と浮名を流したりしている。











片岡社は上賀茂神社の境内にある。
上賀茂神社の写真を撮ってきたのでここに掲載する。



一の鳥居



立砂と細殿



立砂は上賀茂神社の独特のもの。

案内板の説明
  立砂(たてずな)
 盛砂
(もりずな)とも云い、
 「たつ」とは神様のご出現に由来した言葉であり
 神代の昔ご祭神が最初に降臨された
 本殿の後2kmにある
 円錐形の美しい形の神山
(こうやま)
 因んだもので一種の神籬
(ひもろぎ)
 即ち神様が降りられる
 憑代
(よりしろ:依代)である。
 鬼門・裏鬼門にお砂を撒き清めるのは
 此の立砂の信仰が起源で
 「清めのお砂」の始まりである。
これを読んでも何の事だか分からない。



橋殿。その名のとおり、御手洗川の上に橋のように建っている。



中門


下鴨神社ほどではなかったが、混み合っていた。









謡曲史跡保存会の駒札があった。
「賀茂」の謡蹟らしい。「賀茂」ってどんなんやったかな。








都名所図会「上賀茂社」

(国際日本文化研究センター)










片山御子神社の裏の森が「片岡の森」







紫式部の歌碑を探すのに走り回り、ほんとうに大変でした。








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