すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


葛川(かつらがわ)(滋賀県大津市)



白露の玉まくくずのかつら川 くる秋にしも 我はかへらん 道興准后(廻国雑記)



2022年夏、北近畿方面、歌枕を巡る旅に出た。
滋賀県から福井県、京都府、兵庫県を回る旅で、舞鶴に三泊するもの。
そのスタートが葛川で、ここは滋賀県の大津市になる。ここから鯖街道を北に向かった。


1486年6月、貴族僧侶の聖護院道興准后が東国巡回の旅に出た。
大原をスタートし、最初にたどり着いたのが葛川。葛川を一見して詠んだのが上記の歌。


昔も今も、葛川は、鯖街道を通る者にとって京都から最初の目的地になるのだろう。


葛川には有名な葛川息障明王院がある。比叡山の厳しい修行である回峰行と葛川参籠はここを拠点とする。


現在、明王院は近畿三十六不動尊霊場の第27番札所であり、びわ湖百八霊場第18番札所で、参拝客の尊崇を集めている。


びっくりしたのが、明王院の御詠歌が、道興准后の上の歌と全く一緒であること。たぶん道興准后も喜んでいるだろう。








【葛川息障明王院】

三宝橋を渡って明王院へ




護摩堂(右)と明王院(左上)






【安曇川】

葛川から上流方面




葛川から下流方面
花折断層という断層谷で、ほぼ直線で50キロに及ぶ















ハイカーがたくさんいました






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