すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


葛城山(奈良県御所市)






葛城山。奈良県側から撮影。


秀麗な山容です。


この日は曇っていたのでどうもイマイチな写真になった。





山頂のツツジで有名な葛城山(959M)は、大阪と奈良の境の金剛山地にあり、南の金剛山(1125M)と連峰をなしている。
かつては両山を葛城山と総称し、修験道の拠点となっていた。
古代の豪族・葛城氏の支配地域。
次の歌は葛城氏出身で仁徳天皇に嫁いだ磐之媛命が、仁徳天皇の浮気に嫉妬して詠ったもの。 


つぎねふや 山代河を 宮上り 我が上れば あをによし 奈良を過ぎ 小楯 大和を過ぎ 我が見が欲し国は 葛城高宮 我家のあたり 磐之媛命(古事記)
都を目指して山代川(淀川)を上っていったが、奈良を過ぎ、大和を過ぎて、
私が見たい国は、葛城高宮の我家のあたりです。
※ つぎねふや・・・山城の枕詞、あおによし…奈良の枕詞、小楯…大和の枕詞

磐之媛命が熊野旅行に行ってる隙に、夫の仁徳天皇は八田皇女と同棲していた。
磐之媛命は怒って 実家に帰ってしまった。



高天彦神社前に歌碑があった。







***************************





春柳 葛城山に 立つ雲の 立ちても居ても 妹をしぞ思ふ 柿本人麻呂(万葉集)
いてもたっても貴女を思う。

※ 柳は葛城山の枕詞。
※ 「春柳 葛城山に 立つ雲の」は下の句の「立ちても」にかかる序詞










今度は大阪側から葛城山を撮影


これも。






しら雲の たえまになびく 青柳の かづらき山に 春風ぞふく 飛鳥井雅経(新古今)









 





小学校の遠足でよく行きました。





copyright(C)2012 ゆかりの地☆探訪 〜すさまじきもの〜 all rights reserved.