すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


河合神社(京都市左京区)















河合神社とは、下鴨神社の摂社で、糺の森の中にある。
なんとここは「女性の美の神さま」として信仰されているらしい。
 

多分、それは


かわいい → 河合(神社)


と掛けているのだろう。
なんとまあ安直な!というなかれ。
ここには美人グッズが取り揃えられていて、「かわいくなりたい」女性が全国から集っている。


■鏡絵馬
(鏡をかたどった絵馬に化粧をする)

クレヨンも用意されているらしい


こんなかんじで奉納




■カリン美人水(境内の茶店で売ってる)

(写真は下賀茂神社のホームページより)






美人の手鏡の絵馬にはこんな歌が紹介されている。

朝ごとに向かう鏡のくもりなくあらまほしきは心なりけり 明治天皇皇后



公式には、神武天皇の御母神になる玉依姫命(たまよりひめのみこと)を祭神として祀っていることから女性に御利益がある神社ということになっている。



まあ、単純に考えて、「河合」→「かわいい」ではなく、鴨川と高野川が合流する地点として「」が「合う」ところにある神社、というのが妥当であろう。









なお、私がここを訪問したのは、美人になる(?)ためではなく、河合神社が鴨長明のゆかりの地であることが理由。
賀茂神社の禰宜の家系に生まれた鴨長明は、河合神社の神職を希望するが親類の反対にあって断念せざるを得なかった。(その後に出家)
そのようなつながり(?)から、河合神社の境内には出家後の鴨長明が住んだ方丈の庵が再現されている。


これがそう

なんともこれはスゴイ。柴垣も見事!
こんなところで方丈記が執筆されたのかと感動。


ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず 方丈記








都名所図会「下賀茂河合社」

(国際日本文化研究センター)











美人グッズと方丈の庵の組合せは奇妙でした





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