すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


香春(福岡県香春町)





「香春」と書いて「かわら」と読む。
古代朝鮮半島由来の読み方だそうだ。
この地の著しい地形的な特徴は香春岳の奇妙な姿だろう。
もともと香春岳は、一ノ岳、二ノ岳、三ノ岳と尖がった峰が並んでいたが、良質な石灰石が産出されたことが災いし、昭和時代から採掘が進められて峰は上から半分ぐらいになってしまった。

五木寛之の「青春の門」の冒頭に登場する。
「香春岳は異様な山である。決して高い山ではないが、その与える印象が異様なのだ」



これが香春岳。
いちばん右の一ノ岳は頂上が削られて平らになってしまった。
なんとも無残な姿である。



一ノ岳



パノラマ写真。左が一ノ岳。



GoogleEarthの香春岳。



一ノ岳。石灰石を露天掘りしている。







こんな香春岳がある香春を詠んだ万葉歌が残っている。 


豊国の 香春は我家 紐児に いつがり居れば 香春は我家 万葉集
愛する紐児が側にいると心が和み、旅の苦労も忘れ、まるで我が家に
いるような心地がする(福岡県観光連盟ホームページより)
 











漂泊の詩人、種田山頭火も香春岳をとても気に入ったらしく、多くの句を詠んでいる。


香春 晴れざまへ 鳥が飛ぶ 種田山頭火





















露天掘りは感動です






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