すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
花山(京都市山科区)
“花山”は「かざん」と読む。昔は「かさん」だったようで、今でも地元は「かさん」らしい。 歴史上いろいろと由緒があるのだが、“花山”のキーワードは「華頂」「僧正遍照」「元慶寺」「花山天皇」だろう。 “花山”の名は、東山三十六峰の一つ、華頂山の山科側の麓に位置していることに関係し、華頂の「華」が「花」へ、「頂」が「山」に変転し“花山”となったもの。(らしい) また、桓武天皇の孫である「僧正遍照」は、この花山の地に「華山寺」を創建、のちに名称を変更し「元慶寺」。 「僧正遍照」は「花山僧正」の別称をもつ。 「僧正遍照」の墓は“花山”にあり、なぜか宮内庁が管理。 「元慶寺」は西国三十三所観音霊場の番外札所。 そして、かの「花山天皇」が藤原親子にだまされて出家したところ。 「花山天皇」が西国三十三所巡りの創始者であることから、ゆかりのある元慶寺も番外ではあるがノミネートされているもの。 脈絡のない文章になってしまったが、そんな花山の地を訪ねた。 |
ただし、この地図の上の方のマーカーである元慶寺を車で訪ねたところ、旧村のような狭い道が曲がりくねっていて、結局到達を断念。 しかたなく、地図の下のマーカーの僧正遍照の墓に行ってきた。 ![]() 大石内蔵助にちなんだ「大石道」が花山の町を南北に貫いて通っている。 ![]() なんとも旧道の雰囲気があっていい感じである。 ![]() この大石道から少し小道を入ったところに遍照の墓がある。 ![]() 桓武天皇の孫だからだろうが、宮内庁が管理している。 この遍照の墓にて |
その身さへすがたとどめず秋の風 | 斑竹 |
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待てといわば いともかしこし 花山(はなやま)に しばしと啼かん 鳥の音もがな | 僧正遍昭 |
花山の跡を尋ぬる雪のいろに年ふる道の光をぞ見る | 藤原定家(拾遺愚草) |
天つ風 雲の通ひ路 吹きとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ | 僧正遍昭(百人一首) |