すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
2019年のゴールデンウィークを利用して大阪の堺から高野山に至る西高野街道を三日間かけて踏破した。 前から歩いてみたかったのと、ゴールデンウィークにどこにも行く予定が無かったことによる。 行程は次の通り 一日目 堺、大小路 から 河内長野駅 まで 18キロ 二日目 河内長野駅 から 紀伊清水駅 まで 20キロ 三日目 紀伊清水駅 から 高野山、女人堂 まで 16キロ 同じ行程を南海電鉄高野線が走っており、行き帰りに利用した。 一日目は堺からほぼ平坦な道のりで、住宅街の中を歩き通した。 二日目は紀見峠を超えて大阪府から和歌山県へ抜ける。標高400メートル程度の峠であるが、だらだらと上り道が続き、しんどかった。 三日目は高野山への登攀路。いつも主にエスカレーターを利用し階段を使わない体にはきつかった。 今回紹介の「紀見峠」は二日目の行程で歩いた。『紀州を見る峠』という意味だから大阪側の地名だろう。河内名所図会に載録されている。 紀見峠 天見村の南にあり。紀州伊都郡との界也。天見より一里十七町あり。 畠山義就、寛正四年の夏、嶽山退てこゝを過る。 そして次の歌が紹介されている。 |
夏落る紀の見峠の行末も人にまかせて咲花を見ん | 畠山義就 |
足利義政の赦免を受けた畠山義就は吉野から紀見峠を超えて河内に攻め込んだ。その行軍の際に紀見峠で詠んだ歌。 ■ 西高野街道、二日目、南海電鉄河内長野駅からスタート 河内長野駅前のロータリー 高野街道碑があった。弥生時代の「銅鐸」と寺院の「梵鐘」をイメージしたものらしい。 後ろにある建物は河内鋳物師の流れを汲む吹屋 吉年邸のクスノキ。市の指定文化財 西條合資会社という蔵元。女人高野天野山金剛寺に伝わる天野酒を作っている 道を挟んだ向かい側も酒蔵 石川を渡る。まだ河内長野駅を出たとこ 三日市駅の手前にあった札場 ずっと歩いて天見駅、かなり山の中 田舎道になって進んでいく 河内の集落 国道を歩く ゆるやかな上り道がずっと続いた ここから国道と分岐し、右の小道に入る 峠に続く道 だれにも会わず、車も通らなかった ここが紀見峠、ここから和歌山県 紀見峠の案内板 番所跡らしい 紀見峠にあった集落 これも 集落の中を抜けて、橋本方面に山道を下りていく (後略) |