すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
おのづから神の心にならはしのきねが宮居の月ぞさやけき | 歌枕名寄 |
私は大阪府南部在住なので、北部地域の土地勘は全然無い。 今回の訪問に際し改めて地図で確認したのだが、能勢町という町は大阪の北部に袋小路のような形でくっついている田舎町。 予想に反し、山また山の山岳地帯ではなく平地はそれなりにあって豊かな田園地帯が広がっていた。谷底平野だろう。 中世の、工業も商業も未発達な米本位制の世界では、田んぼが広がる農村地帯は豊かな所領地だったのだろう。 仕事を引退したらこんなところで田舎暮らしをしてみたいと思った。 そして大阪府は南北に長いことが今回の訪問でよく分かった。 訪問したのは 現在では大阪府の最果ての地の名も無き神社であるが、境内の案内板を読んでみると歴史上それなりに存在感があったようだ。
![]() 社頭 ![]() 社殿 まさしく田舎の鎮守社であった。 明治の宮内庁歌所の寄人であった阪正臣が詠んだ歌が残っている |
初時雨ふる日にわけてまつ茸の かをりに酔いき |
阪正臣 |
道もせに咲けるちと勢の菊の露 わけてぞ訪ひし仙人の郷 |