すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


北上川(岩手県)





東北地方整備局管轄
水系名 水系本川延長 水系流域面積 流域自治体 水系流域内人口 ダム数 水力発電所数
岩木川 102 2540 青森県 482400 21 (2) 5
高瀬川 64 867 80372 3 (1) 0
馬淵川 142 2050 岩手県、青森県 188000 6 (0) 5
北上川 249 10150 岩手県、宮城県 1389000 53 (1) 33
鳴瀬川 89 1130 宮城県 190000 13 (1) 3
名取川 55 939 1125589 9 (0) 7
阿武隈川 239 5400 宮城県、福島県 1380000 19 (2) 25
米代川 136 4100 秋田県、岩手県 280000 21 (0) 22
雄物川 133 4710 秋田県 346481 34 (0) 17
子吉川 61 1190 80000 12 (1) 7
最上川 229 7040 山形県 999300 41 (1) 26
赤川 70 857 109294 5 (1) 10
(WIKIPEDIAより)


東北の代表的な河川と言えば、北上川、阿武隈川、最上川ぐらいかな。そのうち阿武隈川と最上川は立派な歌枕で、数多の歌が詠まれている。ところが北上川を詠んだ歌はほとんど見当たらない。北上川の流域は、平安時代まで蝦夷国に支配されていたので大和国の文化が浸透していなかったのかなと思ったり、「北上(きたかみ)」という名が一般的過ぎて詩作のモチーフとして弱いのかなとか、いろいろ考えていた。
けれども北上川の名称は、古代蝦夷国の美称である「日高見」に由来するという説もあり、いろいろ奥行きは深そうだ。

ただ北上川関連の歌はほとんど見当たらない。
これぐらいかな

やはらかに柳あをめる 北上の岸辺目に見ゆ 泣けとごとくに 石川啄木


また、北上川の名称の由来である「日高見」関連の歌も今まで出会ったのは次の一首のみ。

み冬つき春立ちけらし。ひさかたの日高見の国に霞たなびく 賀茂真淵


菅江真澄関連の資料を丹念に渉猟したら、北上川を詠んだ歌もあるのだろう。

絶妙なネーミングの衣川に負けるのは仕方ないとしても、高低差が小さく水量は多い悠久の流れの北上川は文学的なエッセンスに富んでいると思うので、いかにも残念である。





そんな北上川はこんな川


盛岡市内を流れる北上川。
岩手山と一緒に撮ろうとしたが、角度的に無理であった。(裾がちょっとだけ見えている)



花巻市のイギリス海岸附近の北上川。



平泉町付近。
数々の水害の経験から、広い河川敷となっている。










国土交通省のHPより






北上という名前ですが、川は南に向いて流れてます。






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