すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
清見関(静岡市清水区)
えっと、 ここは「由緒」盛りだくさんの故地である。 先ず「清見関」。 往古、この地は山際にまで海が迫っていたため、東国の敵から駿河国を守るための関所が設けられていた。 そして「清見潟」。 現在の清水区興津の辺りに広がっていた干潟。古来から東海道の観光スポットであった。清水湾をはさんで三保松原とペアで鑑賞されたり、富士山を組み込んだりして、一級の景勝地となっていた。 次に「清見寺」。 セイケンジと読む。臨済宗の寺。駿河湾を望む高台にあり、歴史上の著名人がたびたび訪れている。 とにかく、いろいろなものが揃いすぎているといった印象である。 それぞれ紹介していく。 【清見関】 更級日記に、
と、平安時代中期はまだ関所だったのか。 十六夜日記では、
と、打ち寄せる波は強かったようだ。 その他、三保松原とのコラボ
【清見潟】 ![]() 清見寺から駿河湾を眺望。 ここに清見潟が広がっていたようだ。 現在は埋立てられている。 いちいち書いていくのも大変なので、簡単にゆかりの歌を紹介。 |
清見潟おきの岩こすしら波に光をかはす秋の夜の月 | 西行 |
清見潟月すむ夜半のうき雲は富士の高嶺の烟なりけり | 西行 |
きよみがたふじの煙やきえぬらん月影みがくみほのうらなみ | 後鳥羽院 |
廬原の 清見の崎の 三保の浦の ゆたけき見つつ もの思ひもなし | 万葉集 |
【清見寺】 清見寺は写真で紹介 ![]() 正面から見ると風光明媚な高台にあって、 ![]() ただし、山門と境内の間には東海道本線が走っている! ![]() 東海道本線の近郊電車はあまりよく分からないが、211系かな? ここでブルートレインを見てみたい。 左手が清見寺。右手に山門があって、海に向かう。 ![]() 境内。 う〜ん、なんとも奥ゆかしいたたずまい。 この瞬間、参拝客は私一人だけであった。 ![]() 五百羅漢の石像があった。なにやら恐ろしげであった。 ![]() 「臥龍梅」。徳川家康お手植えの梅。 「臥龍梅」を詠んだ歌
その他の清見寺関係の歌 |
清見寺ゆく手にうつる花の色の いくほどもなく紅葉しにけり | 豊臣秀吉 |
清見寺海を仰ぎてうろくづも 救はれぬべき身と思ふらん | 与謝野晶子 |
秋晴れや三保松原一文字 | 万木 |