すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


黄金山(宮城県湧谷町)





天皇(すめろぎ)の御代(みよ)栄えむと、東なるみちのく山に黄金花咲く 大伴家持(万葉集)


黄金山神社(涌谷町)に歌碑



とても有名な大伴家持の万葉歌。
聖武天皇の奈良時代、平城京で大仏建造の発願がなされたが、大仏の鋳造には大量の金が必要である。当時は国内で金が産出されず、海外からの貢ぎ物に頼っていた。そんなタイミングで陸奥国から黄金が献上されてきた。この黄金により無事に大仏が完成した。
その際の喜びを詠んだのがこの歌。



黄金を産出した「みちのく山」とは、宮城県湧谷町の辺りのこと。現在は黄金山神社となっている。万葉故地としては日本最北端とのこと。
みちのく一人旅で、何はともあれ、訪問してきた。






■黄金山神社 ・・・ 宮城県遠田郡涌谷町涌谷字黄金宮前23


真夏に訪問したが、ほかには誰も参拝客はいなかった。
社叢は鬱蒼とした樹木に覆われており、参道は昼なお薄暗かった。



閑寂とした雰囲気であった。



なんともいい感じの社殿であった。



神社の傍らを小川が流れていた。
この小川で金が採られていたのだろう。



黄金産出の川。
キラリと光るものがないか見てみたが、なかった。



今となっては普通の川というか、溝であった。



現地の案内板にあった当時の川の様子。




やぶ蚊が大量に飛び回っていて、大変であった。




参道沿いに上記と同じ万葉歌碑があった















宮城県石巻市にも黄金産出の伝承地があるようです






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