| すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
| 滋賀県大津市の黒津、ここで琵琶湖から流れ出た瀬田川と、信楽町に源を発する大戸川が合流する。 往古、大戸川の上流は豊かな森林地帯が広がっていたが、都であった京都や奈良に近いため、多くの木が伐採されて、はげ山になってしまった。 この辺りの地殻は花崗岩の分布地域で、風化による土砂の流出が激しく、大雨による氾濫が繰り返し発生し、次第に大戸川の川底は埋まっていった。 流出した土砂は瀬田川との合流地点で中州を形成し、瀬田川の流水を妨げ、琵琶湖の水位を上げる原因にもなったようだ。 そんな黒津にあった瀬田川の渡し場は「 |
| 明けぬとやこころみまでは来にけれど まだ深き夜の渡りなりけり | 藤原清正 |
| 近江なるこころみの崎年経ても よし試みよ人忘るやと | 夫木和歌抄 | |
| 源俊頼(散木奇歌集) | ||
【現地訪問】![]() 瀬田川と大戸川の合流地点 左が瀬田川、右が大戸川 たしかに土砂が溜まっている ![]() 昔は堆積した中州は「黒津八島」と呼ばれ、琵琶湖では唯一徒歩で渡ることが出来る地点であったらしい ![]() 合流地点から下流を望む |