すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


巨勢(こせ)(奈良県御所市)



巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲はな巨勢の春野を 坂門人足(万葉集)


古代の豪族、巨勢氏の本拠地。
当時、ここに巨勢氏の氏寺として巨勢寺があった。
現在は廃寺となり、塔心礎(塔跡の心柱の礎石。五重塔があったと伝えられる)が残っている。

「つらつら椿の巨勢の春野〜」と詠われているだけに、本当は春に訪れたかったのだが、初秋しかも雨上がりの曇りがちの日に来てしまった。


巨勢寺跡にあるのは、寺跡の石碑、大日堂、塔心礎、椿の木だけ。



塔心礎。直径88センチの柱孔。



周りは椿の木に囲まれている。
椿の花が咲けばきれいだろう。



この場所は御所市古瀬の蘇我川に沿った谷あい地形にあり、JR和歌山線と近鉄吉野線にはさまれた、なんとも不便なところ。


このように、真横を電車が走りぬける。











さて、巨勢寺跡には阿吽寺という末寺があり、そこに万葉歌碑があるとのこと。近くにあるので行ってみた。


「玉椿山」「阿吽寺」とある。



国道309号線沿いにある。



上記の「つらつら椿の巨勢の春野〜」の万葉歌碑。











日曜日に来ましたが、誰一人として観光客もいませんでした。
まあ、そこそこ満足した訪問になりました。






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