すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


琴の浦(和歌山県海南市)




春風に浪のしらぶる琴の浦はかもめの遊ぶ所なりけり 源仲正(夫木和歌抄)
(私訳)春風に波が琴の音を調べる琴の浦はカモメが遊ぶところ 


いやはや、大したことのない(失礼)歌のわりに、現地の風景は見事なものがあった。

こんなかんじ@


こんなかんじA


こんなかんじB

なんというか、和歌山名物の緑色片岩(深成岩)の露頭は本当に美しいね。


その他、こんな風景があったり、

マリーナシティが向こうに見えたり


カモメは飛んでいなかった。










昔は大きな湾になっていたが、高度成長期に埋め立てられて工場が進出。琴の浦の前面には現在新日鉄住金が操業している。



 












和歌山の緑色片岩がお気に入りです。











【追記】


紀伊国名所図会に琴の浦を詠んだ歌が掲載されていた
一挙掲載


しほたるるわが身のかたはつれなくて琴浦にこそ煙立ちけれ 道命法師(後拾遺和歌集)
くれぬとてとまりにかかるゆふ浪にことうらしるき海士の漁火 法印幸清(新勅撰和歌集)
おもふにもよらぬつらさをかこたばやこと浦船の浪のたよりに 侍従隆教(新勅撰和歌集)
しら浪のかけても人に契りきやことうらにのみみるめかれとは 衣笠内大臣(新勅撰和歌集)







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