すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


九度山(くどやま)(和歌山県九度山町)







国民的ヒーロー、真田幸村ゆかりの地。


関ヶ原の戦いで西軍側についた真田昌幸と幸村の親子は、徳川家康から高野山での蟄居を命じられた。


高野山から九度山に移り住んだ親子は、大坂夏の陣で滅びるまでこの地で臥薪嘗胆の日々を送った。


真田親子が隠れ住んでいた屋敷跡には善名称院という寺が建てられた。現在では真田庵と呼ばれている。









2022年秋の日曜日、池波正太郎の「真田太平記」を読み終え、感動に咽んだ。そして家から程近い九度山への訪問を思い立った。


真田太平記を読むまでは真田幸村とかにあまり関心がなかったため、家から近いにもかかわらず、足を運んだことが無かったということ。


これが真田庵の入り口
真田太平記のおかげで真田一族との距離感が一気に縮まり、感動の訪問となった。



寺の本堂、かな?



鳥居の扁額は真田家の家紋である六文銭



それなりに観光客は多かった。歴史好きの年配者の単独男性、史跡めぐりの年配者夫婦とともに歴女らしい若い女性の姿もあった。真田幸村を題材にしたドラマでは、男前の俳優が演じることが多いため、一般的に真田幸村は男前だったと認知されている。

■TVマガ(https://saru.co.jp/tvmaga/)による「真田幸村の役がハマっていた俳優ランキング」
  1位:堺雅人「真田丸」
  2位:城田優「天地人」
  3位:草刈正雄「真田太平記」
  4位:松方弘樹「家康の最も恐れた男 真田幸村」
  5位:西郷輝彦「葵 徳川三代」
  6位:浜田学「江 〜姫たちの戦国〜」
  7位:加藤雅也「真田十勇士」
  8位:若林豪「独眼竜政宗、徳川家康、忍術 猿飛佐助」











え〜と、与謝蕪村が九度山に来て詠んだ句がある


かくれ住んで 花に真田が 謡かな 与謝蕪村


真田庵に句碑





炬燵(こたつ)して 語れ真田が 冬の陣 与謝蕪村


真田庵に句碑















その後、真田庵に隣接する「そば処 真田庵」で昼食をとった。真田一族は信州出身なので信州蕎麦が食べられる。


入り口



天ぷら蕎麦を注文した。
大阪出身なので、信州蕎麦にはほとんど縁が無かったが、この信州蕎麦は本当に美味しかった。
また来たいと思った。



店内には真田の赤備えの武具が展示されていた。






紀伊国名所図会「九度山地蔵堂 真田の旧跡」

早稲田大学図書館







「道の駅 柿の郷くどやま」にも赤揃えの武具があった
















その後、同じ九度山町にある慈尊院へお参りに行った。



手元に本がなく記憶ベースであるが、有吉佐和子の小説「紀ノ川」で主人公の嫁入りのスタート地点として登場する。ここから紀ノ川を下って河口近くの六十谷に嫁ぐのだが、嫁入りは川の流れに逆らわずに川の水とともに下れば幸福になるとのことだった。



空海の母は女人禁制の高野山に入れず、慈尊院で過ごしたことから、ここは女人高野と呼ばれ、そのためか乳房型絵馬を奉納して子授け、安産、育児、授乳などを祈願する女性が訪れるとか。
小説「紀ノ川」にも登場していたような。



奉納された乳房で圧巻であった。



本堂



ここは高野山へ続く高野山町石道のスタート地点。
この石段を上ると丹生官省符神社があり、高野山大門まで町石道が続いている。





紀伊国名所図会「入り江九度山」

早稲田大学図書館










 






高野山町石道を、いつか歩いてみたいと思っているが、
いつになることかな






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