すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


杭瀬川(岐阜県大垣市)




マイナー歌枕


「杭瀬川」をインターネットで検索すると、「杭瀬川の戦い」というのが検出される。関ケ原の戦いの前哨戦らしい。
実にマイナー。



そんなマイナーな杭瀬川を詠んだ歌が残っている。


夕されば霧たどたどし河の名の杭瀬もとめて舟やつながん 覧富士記
 夕方になると霧が立って、様子がわからないので、杭瀬という名の
ように杭を探して舟を繋ごう」(日本古典文学全集)
 


渡守往来に守る杭瀬川月の兎も夜や待つらん 一条兼良(藤川の記)
杭瀬川の往来の人の安全を守る渡守。杭と言えば韓非子に
見える兎の話が思い起こされるが、兎は月の出るのを
待っているだろうか(訳:塚本樹)



いやはや歌の方もマイナー気味。






こんなマイナー歌枕に訪問。


杭瀬川と赤坂大橋。旧中山道が通る。



歌川広重「木曽街道六十九次・赤坂」 (WIKIPEDIA赤坂宿(中山道)より)

中山道で、杭瀬川に架かる橋ということで、たぶん広重が描いたのはこの橋だろう。




赤坂大橋から下流方向。
どうってことのない眺めである。















いやはやマイナーであった。





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