すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
いにしえの鎧にまさる紙衣かぜの射る矢もとふらざりけり | 蓮生(熊谷直実) |
浄土にも剛の者とや沙汰すらん西に向かいて後ろ見せねば | 蓮生(熊谷直実) |
(私訳)極楽浄土ても郷の者と噂されているであろう。西に向かって決して背中を見せないのだから |
阿弥陀如来は西のほうの極楽浄土にいるとされる。 蓮生が京の都から馬に乗って熊谷郷へ戻る際、東に向かっていくので、普通なら背中は西を向くのであるが、蓮生は、どうして阿弥陀仏に背を向けられようかと、馬の鞍を逆さにおいて、西の方へ向きながら、熊谷郷へ向かったもの。 熊谷直実像 ![]() JR熊谷駅の北口にあった ![]() 熊谷寺 閉まっていた ![]() 熊谷寺のすぐそばを中山道が通っていた 八木橋百貨店の前に「旧中山道」の碑があった ![]() 熊谷市のゆるキャラは「ニャオざね」 熊谷直実と猫が合体したもの ![]() いろんなキャラクター商品が販売されている ![]() ニャオざね、仕事中 ![]() ラガーマンのニャオざね ![]() ■ 熊谷ゆかりの歌 |
くまがやの道のくまびにさく花を折てぞしのぶひとりし行けば | 建部凉袋 |
熊谷の見えて長閑けし芥子の花 | 中村碓嶺 |
熊谷もはては坊主やけしの花 | 横井也有 |
熊谷の堤あがればけしの花 | 許六 |
我も其 阿弥陀笠きて 咲く花に うしろハ見せぬ 熊谷さくら | 三陀羅法師 |
うららかに春はさむさもうすすみに霞いろとるくまかへの宿 | 十返舎一九 |
熊谷の宿に名高き故にこそよくもうちたりあつもりの蕎麦 | 十返舎一九 |
行く先も熊谷さくら咲きぬらし春の眺めは深谷と思へば | 置石村路 |
熊谷の蓮生坊がたてし碑の旅はるばると泪あふれぬ | 宮沢賢治 |
武蔵の国熊谷宿の蠍座の淡々ひかりぬ九月の二日 | 宮沢賢治 |