すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


蔵部(くらぶ)の里(滋賀県甲賀市)








花園天皇、延慶二年(1309年)大嘗会悠紀方稲舂歌
近江国暗部里(くらぶのさと)を詠める
(いにしへ)に今を(くら)ぶの里人は 世世(よよ)に越えたる御稲(みしね)をぞ() 日野俊光(玉葉和歌集)
「比べる」と掛けている



康保三年八月内裏前栽合
女郎花くらぶの野辺の種ならば 人に越えたる色ぞ見えまし 藤原済時



何事も並びなくのみ見ゆるかな くらぶの里といかがいふべき 夫木和歌抄



よそにてはくらぶのさとゝ聞しかと 普ねく照す秋のよの月 祭主輔親卿集



くらふ山下てる道は三千年に さくなる桃の花にさきけり 大江匡房



神無月しぐるるままに暗部山 したてるばかり紅葉しにけり 源師賢






672年の壬申の乱で、大津京にいた高市皇子が大海皇子と合流するために鹿深(かふか)(甲賀)を通って伊賀へ向かったが、この道を倉歴道(くらぶのみち)という。


古代の甲賀郡の蔵部郷は、現在の油日付近とのこと。


歌の方は、「暗い」とか「比べる」とかと掛けているが、あまり印象的なものはない。


今回、甲賀の古刹、油日神社へ行ってきた。





参道入口の鳥居、
社号標には「縣社油日神社」と刻まれている



参道を進むと立派な楼門



楼門から振り返る
神社に伝わる奴振(やっこふり)(春の雨乞い祭、滋賀県無形民俗文化財)はこの参道がクライマックス


奴振の様子



楼門を入ると回廊がある



拝殿と本殿















■ 朝ドラのロケ地


この油日神社はドラマのロケ地としてよく使用される
最近では2023年後半の『ブギウギ』、福来スズ子とその楽団が慰問に訪れた場面に登場



この拝殿の前で撮影されたようだ




神社には『ブギウギ』のポスターが張ってあった








油日神社は、鈴鹿山脈の油日岳を御神体としている
















本格的に朝ドラのロケ地巡りをしてみたいです





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