すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
大阪府の北端、能勢町。大阪南部から向かったのだが、兵庫県をいったん経由してから能勢町に入ることになり、山のすぐ向こうは京都府というようなところ。 こんな、大阪のどん詰まりのような場所に知る人ぞ知る日本酒の蔵元がある。 1866年の創業の秋鹿酒造。歌垣山の麓の里山に広がる棚田で、蔵元総出で酒米の米作りをしているという。 代表銘柄は「秋鹿」。ラベルに注目したい。「歌垣」の文字と、倉垣の里を詠んだ和歌が載っている。 |
「歌垣」とは、特定の日時に未婚の男女が集まり、即興の歌を交わして求愛するという古代の習俗のこと。 歌垣山の山頂で、ねるとんパーティーのようなことが行われていたようだ。 一方、記載されている和歌は、 |
くらかきの里に波よる秋の田はとしながひこの稲にぞありける | 大江匠房 |
“くらかきの里”は、歌垣山の麓の農村地帯。 “としながひこ”とは天皇即位の大嘗祭に献上する米を作る男子のことで、秋の収穫の豊かな実りが詠われている。 ![]() ![]() ![]() いろんな場所から歌垣山を撮影したが田んぼと背景に歌垣山という結局同じ構図となった。 なお歌垣山の頂上では、古代の歌垣を実施した跡地が公園として整備されているとのこと。 |
秋鹿酒造 大阪府豊能郡能勢町倉垣1007 |