すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
人皆の言は絶ゆとも埴科の 石井の手児が言な絶えそね | 万葉集 |
倉科公民館に歌碑
倉科公民館の万葉歌碑の傍らにある案内板に解説文があった。
この歌の女性が住んでいた埴科の石井の里は、現在は倉科の里と呼ばれる集落となっている。三方を山に囲まれた囲繞景観であり、隠れ里のような地域だったようだ。 ![]() 倉科の里へ続く道 ![]() 集落の入り口辺りに大きな石碑があった。 ![]() 倉科公民館。ここは昔の石井の地籍らしい。歌碑もここにある。 ![]() 道を挟んで倉科神社。 ![]() 倉科神社の境内 |
さて、「 長野県以外の人にはちょっとややこしい。 それはそうと、この信濃国特有の「〜科(しな)」という地名に興味があったので調べてみた。 (この程度整理したところで取り敢えず満足してやめた) |
駄科 | だしな | 飯田市 | |
妻科 | つましな | 長野市 | |
信級 | のぶしな | 長野市 | |
保科 | ほしな | 長野市 | |
更科 | さらしな | 長野市、千曲市 | |
埴科 | はにしな | 長野市、千曲市 | |
倉科 | くらしな | 千曲市 | |
波閇科 | はべしな | 千曲市 | |
浅科(合成地名) | あさしな | 佐久市 | 浅間山と蓼科山から一文字ずつとった |
立科(蓼科) | たてしな | 立科町 | |
明科 | あけしな | 安曇野市 | |
豊科(合成地名) | とよしな | 安曇野市 | 鳥羽・吉野・新田・成相の頭文字をとった |
仁科 | にしな | 大町市 |
「しな」は坂のことらしい。 信濃も「しな」である。 さて、倉科を詠んだ歌を“発見”した。 |
しなのなるあかしの松のありながら なぞくらしなの里といふらむ | 西行 |
(私訳)信濃には明しの松があるのに、どうして暗いに通ずる倉科の里があるのか |