すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
栗駒山(宮城県栗原市)
陸奥国のそれなりに有名な歌枕。 よく、京都にも栗駒山があるのでややこしいとの解説があって、「みちのくの〜」とか、 いろいろ調べてみたが、よく分からない。 知ってる人がいたら教えてください。 江戸時代の仙台藩が編纂した地誌「封内名蹟志」によると、 「在沼倉村。山上多朴樹頗美在也。郷人又称駒岳。跨磐井郡五串村。神名帳所載駒形神社在山上。山路嶮岨土俗老少苦難登。而山下建小社祭祀于此。此地今曰一宮」 え〜と、意味は、 (栗駒山は)沼倉村にある。山には朴木が多いが、これは美しい建築材料だ。地元では駒ケ岳ともいう。山上に駒形神社があるが、老人や子供には登るのが大変なので、麓に小さな祠を建てた。これが現在の一宮だ、云々。 また、 「歌林所称栗駒山者是也。古歌多詠朴木此地如今山岳朴木多。是亦其証也」 歌枕の栗駒山はこの山のことだろう。栗駒山の古歌の多くは朴木を詠んでいる。現在も多くの朴木があるので、その説は正しい、云々。 そんな栗駒山を詠んだ歌 |
陸奥の 栗駒山の ほほの木の 枕はあれど 君が手まくら | 古今和歌六帖 |
みちのくの 栗駒山の 朴の木は 花より葉こそ 冷しかりけれ | 夫木和歌抄 |
栗駒の 松にはいとと 年ふれと ことなし草そ 生そはりける | 夫木和歌抄 |
いかてわれ 栗駒山の 紅葉はを 秋は初めとそ 色かへてみん | 夫木和歌抄 |
紅葉する 栗駒山の 夕かけを いさわか宿に うつしもたらん | 夫木和歌抄 |
栗駒の 山に朝たつ きじよりも 我をばかりに 思ひけるかな | 夫木和歌抄 |
みかりする 栗駒山の 鹿よりも ひとりぬる身ぞ わびしかりける | 元良親王 |
栗駒の 山の桜の ちらざらん 春のうちには かへらざらめや | 大中臣輔親 |
う〜ん、たしかに「みちのく〜」や「朴の木」以外の歌は、京都近郊の山を詠んでいたとしても、全く違和感がない。 東北旅行(2018/8)で栗駒山の写真を撮ろうとしたが、こんな感じ。 ![]() 栗原市の津久毛橋から狙ったが、霞みがかっていた。 同じ場所からGOOGLEのストリートビュー |