すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


黒髪山(くろかみやま)(群馬県高崎市)










相馬山(標高1,411メートル)、古称は黒髪山








相馬山は榛名山の山頂カルデラにあり、尖った山容が特徴。

古称は黒髪山で、山頂には黒髪神社の奥宮が鎮座する信仰の山である。




え〜と、歌枕として「黒髪山」のページはこれで三つ目である。

奈良市の「黒髪山」は、ドリームランドという昔の遊園地の跡地になっていて、廃墟マニアの聖地になっていた。

岡山県新見市の「黒髪山」は、繁茂する木々が若々しい黒髪を連想し、とても縁起が良いとされて、大嘗会の賀歌の歌枕となった。

歌枕ではないが、インターネットで「黒髪山」を検索すると、佐賀県武雄市にある標高516メートルの山が圧倒的に表示される。『群馬県の妙義山を思わせる山容である』という説明文があった。













1486年(文明18年)、歌僧堯恵は美濃国を出発し諸国遊歴の旅に出た。

上野国府にて地元の武士たちと歌会を開いて詠んだ歌。


()(そで)の秋の別れの(くし)の歯の黒髪山()なく時雨(しぐ)るゝ 堯恵(北国紀行)


上野国府から榛名山系を見上げると、尖った黒姫山がよく見える。

古来、櫛と黒髪の組合わせは「別れ」のアイコンとされ、この歌はとても上手く仕上がっているが、堯恵は旅人なので、各地を廻っており、行く先ごとに出会いと別れがあるのが当然であり、いちいち別れを惜しんでいたらキリがない、と言うのは言い過ぎか。

とにかく目の前に黒髪山が見えたので、ついつい離別の歌を詠んでみたくなったのだろう。









Wikipedia「榛名山」より











白髪山も各地にあるそうです





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