すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
相馬山は榛名山の山頂カルデラにあり、尖った山容が特徴。 古称は黒髪山で、山頂には黒髪神社の奥宮が鎮座する信仰の山である。 え〜と、歌枕として「黒髪山」のページはこれで三つ目である。 奈良市の「黒髪山」は、ドリームランドという昔の遊園地の跡地になっていて、廃墟マニアの聖地になっていた。 岡山県新見市の「黒髪山」は、繁茂する木々が若々しい黒髪を連想し、とても縁起が良いとされて、大嘗会の賀歌の歌枕となった。 歌枕ではないが、インターネットで「黒髪山」を検索すると、佐賀県武雄市にある標高516メートルの山が圧倒的に表示される。『群馬県の妙義山を思わせる山容である』という説明文があった。 1486年(文明18年)、歌僧堯恵は美濃国を出発し諸国遊歴の旅に出た。 上野国府にて地元の武士たちと歌会を開いて詠んだ歌。 |
堯恵(北国紀行) |
上野国府から榛名山系を見上げると、尖った黒姫山がよく見える。 古来、櫛と黒髪の組合わせは「別れ」のアイコンとされ、この歌はとても上手く仕上がっているが、堯恵は旅人なので、各地を廻っており、行く先ごとに出会いと別れがあるのが当然であり、いちいち別れを惜しんでいたらキリがない、と言うのは言い過ぎか。 とにかく目の前に黒髪山が見えたので、ついつい離別の歌を詠んでみたくなったのだろう。 |