すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


桑山(くわのやま)(山口県防府市)








(すゝき)真赭(まそほ)の糸を乱すかな(しづ)が飼ふ蚕の桑の山 今川了俊(道行きぶり)
(賤が飼う蚕の)桑の山風が花薄の朱色の糸を吹き乱していることだ
稲田利徳「 道行きぶり注釈」


「道行きぶり」は、室町時代の武将の今川了俊が九州へ下向した際の紀行文。

この歌は、現在の防府市にある桑山という名勝地を詠んだもの。当時は山麓の松原が遠くまで続いていて、浜辺で塩を焼いていたようだ。

歌の内容の方は、
何の意味なのか一見よく分らないのだが、注釈によると、「真」は美称の接頭語、「赭」は赤色、糸・蚕・桑は縁語で、「花すすきまそほのいとをくりかけてたえずも人をまねきつるかな」の藤原俊頼の歌を参考にしていると。

いやはや、武将にして高名な歌人であった今川了俊の見事な歌だが、やっぱり浅学の私にはピンとこない歌である。









【とりあえず現地訪問】


これが桑山






標高107メートル
南麓から撮影
この辺りに松原が続いて、塩が焼かれていたのだろう













特に感想はありません





copyright(C)2012 すさまじきもの〜「歌枕」ゆかりの地☆探訪〜 all rights reserved.