すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
花 |
今川了俊(道行きぶり) | |
(賤が飼う蚕の)桑の山風が花薄の朱色の糸を吹き乱していることだ 稲田利徳「 道行きぶり注釈」 |
「道行きぶり」は、室町時代の武将の今川了俊が九州へ下向した際の紀行文。 この歌は、現在の防府市にある桑山という名勝地を詠んだもの。当時は山麓の松原が遠くまで続いていて、浜辺で塩を焼いていたようだ。 歌の内容の方は、 何の意味なのか一見よく分らないのだが、注釈によると、「真」は美称の接頭語、「赭」は赤色、糸・蚕・桑は縁語で、「花すすきまそほのいとをくりかけてたえずも人をまねきつるかな」の藤原俊頼の歌を参考にしていると。 いやはや、武将にして高名な歌人であった今川了俊の見事な歌だが、やっぱり浅学の私にはピンとこない歌である。 【とりあえず現地訪問】 これが桑山 ![]() ![]() ![]() 標高107メートル 南麓から撮影 この辺りに松原が続いて、塩が焼かれていたのだろう |