すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


国栖(くず/奈良県吉野町)

吉野には、能の故地がいっぱいある。
能のファンにはたまらないところ。
ちょっと思い浮かべてみると、「二人静」「嵐山」「忠信」「吉野天人」
が吉野山が舞台で、「国栖」は吉野川の宮滝から少し上流のところ。
今回、「国栖」の故地、吉野町国栖に行ってきた。

※国栖は「くず」と読む。





国栖と言えば、この写真。
この撮影ポイントを予め地図で調べてから行った。


 
パノラマ写真もどき
左の住宅密集地が昔からの国栖の集落





上記二枚の写真がパノラマ写真になりました。
スマホのGoogleが勝手に作ってきたのです。
頼んでもないのに、突然送られてきたのです。

とは言え、きれいので気に入ってます。





吉野川




能「国栖」は、大海人皇子が食事に出された鮎を
片面だけ食べ、残りを吉野川に返したところ、鮎は
生き返ったというストーリー。





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かの谷垣潤一郎の文学作品「吉野葛」も国栖が舞台。
というか、若者二人がいろいろとしゃべりながら国栖の町を目指して歩いていく物語。
若い頃に読んで、まったく面白くなかったが、最近読み返してみると「何これ!むちゃくちゃええやん!」て感じでした。



その谷垣潤一郎の歌

ゆうされば くぬぎばやしに 風たちて 国栖の山里 秋は来ぬらし





国栖の街並み
紙漉きの光景は見られなかった。










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 国栖(くにす)らが春菜摘むらむ司馬の野のしばしば君を思ふこのころ 万葉集
国栖人らが春菜を摘むという司馬の野で、最近しばしば君のことを思うよ。 
国栖の近くに「司馬の野」というところがあったらしい。

 













ほとんど人に会わないさびしい町でした。






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