すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
塩竃湾に浮かぶ曲木島、 多分、昔は素晴らしい景色だったろう。現在は工場に囲まれている。 ![]() 今回、訪問してビックリしたのは、震災後5年で復興が著しいことではなく、こんな東北の辺鄙な町(失礼)で工業がもともと発展していたこと。 塩竃って、東北の漁村とか寒村のイメージであった。 イメージや先入観って怖いな。 こんなかんじ 塩竃湾には造船業や水産加工業が集積していた。 地域の中核都市になっている様子。 ■現地訪問 ![]() 橋が架かっていたが通行禁止になっていた。 島の中には曲木神社があり、それは塩竃神社の摂社らしい。 ![]() これなんか、いい写真が撮れたなあと満足している。
曲木島を詠んだ歌 |
我が背子をみやこにやりて塩釜のまがきの島の松ぞ恋しき | 古今和歌集 | |
さてもなほ籬の島のありければ立ち寄りぬべく思ほゆるかな | 後撰集 | |
あけくれば籬が島をながめつつ都恋しき音をのみぞ泣く | 信明集 | |
塩釜の浦ふく風に秋たけて籬が島に月かたぶきぬ | 源実朝 | |
心ある海士やうゑけんみちのくのまがきが島のしら菊の花 | 樋口一葉 |
解説としては、 「『籬(かきね)』の語によって人を隔てるイメージを持ち、陸奥での都恋しさの念を表現するのに用いられた。」・・・歌枕歌ことば辞典(片桐洋一) |