すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


曲木(まがき)(宮城県塩竃市)




塩竃湾に浮かぶ曲木島、
多分、昔は素晴らしい景色だったろう。現在は工場に囲まれている。



今回、訪問してビックリしたのは、震災後5年で復興が著しいことではなく、こんな東北の辺鄙な町(失礼)で工業がもともと発展していたこと。

塩竃って、東北の漁村とか寒村のイメージであった。

イメージや先入観って怖いな。




こんなかんじ

塩竃湾には造船業や水産加工業が集積していた。
地域の中核都市になっている様子。











■現地訪問



橋が架かっていたが通行禁止になっていた。
島の中には曲木神社があり、それは塩竃神社の摂社らしい。





これなんか、いい写真が撮れたなあと満足している。



曲木(まがき)(籬)島

周囲約百五十五メートルの曲木島は、籬島とも称し往昔塩竃神社築造の際「曲木を巧みに用いた」籬島名神を祀る小祠が島名の由来といわれている。
市街地造成、商港、漁港の修築等のため、大正以降幾多の塩竃湾内に浮かぶ島々が消え去ってゆき、現在湾内に浮かぶ唯一の島となった。この島は古来名島として歌枕に使われ古今和歌集、続後撰集、新勅撰和歌集、続古今和歌集、夫木和歌抄などにはこの島を詠みこんだ歌が数多く見られる。

塩竃市教育委員会






曲木島を詠んだ歌


我が背子をみやこにやりて塩釜のまがきの島の松ぞ恋しき 古今和歌集
さてもなほ籬の島のありければ立ち寄りぬべく思ほゆるかな 後撰集
あけくれば籬が島をながめつつ都恋しき音をのみぞ泣く 信明集
塩釜の浦ふく風に秋たけて籬が島に月かたぶきぬ 源実朝
心ある海士やうゑけんみちのくのまがきが島のしら菊の花 樋口一葉



解説としては、
「『籬(かきね)』の語によって人を隔てるイメージを持ち、陸奥での都恋しさの念を表現するのに用いられた。」・・・歌枕歌ことば辞典(片桐洋一)







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それなりの満足感がありました





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