すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
槙島(京都府宇治市)
とってもマイナーな歌枕の地。 豊臣秀吉が宇治川の流路を変更するまでは、琵琶湖から流れてきた水は直接巨椋池に注いでいた。 往昔の巨椋池は広大で、池の中にいくつもの島があった。 槙島も巨椋池に浮かぶ島のひとつであった。 槙島は宇治橋の北西の下流にあり、宇治川の流れから守る川堤は槙堤と呼ばれたらしい。 今となっては、宇治川が直接注いでいた巨椋池も干拓されてしまい、往古を偲ぶよすがもないが、とりあえず宇治川の川堤である槙堤に行ってみた。 ![]() 槙島にある川堤で、槙堤。 ![]() 千年以上も前に作った堤が今でも現役だとは思えないが。 堤の右手が宇治川で、左手が槙島の住宅街。 この辺りが池の中の島だったとは想像もできない。 ![]() 槙堤から宇治川上流を撮影。JRの宇治川橋梁が見える。 なんだかよく分からない展開になってきたが、ここで槙島を詠んだ歌の紹介。 |
宇治川の川瀬も見えぬ夕霧に槙の嶋人舟よばふなり | 金葉和歌集 |
河風の夜寒の衣うちすさび月にぞあかす槙の嶋人 | 新千載和歌集 |
槙島のイメージというよりも、宇治川のイメージで詠まれているようだ。 |