すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


真葛原(京都市東山区)




真葛原は、
 ・知恩院山門のまへより南
 ・円山長楽寺のほとり
 ・祇園林 
 までをいふならん

とある。(拾遺都名所図会)
現在の円山公園の場所にあたる。


わが恋は松を時雨の染めかねて真葛ヶ原さわぐなり 慈円僧正

かつて、この歌が詠まれてから歌の名所となった。
  つれない恋人を「松」とし、
  悲嘆したわが想いを「時雨」として、
  ずっと待っている恋心は「恨み」が募るばかり・・・

ということで、真葛原は「恨みの名所」になったようだ。


かれはてて言の葉もなきまくず原なにを恨みの野べの秋風 西園寺(続後撰和歌集)


いまぞしるまくずが原に吹くうらみも恋にうくるものとは 道智法師(新拾遺和歌集)


まくず原露のなさけもとどまらず恨みし中は秋風ぞふく 従三位忠兼(新後拾遺和歌集)


「八代集の抄」という江戸時代の歌の注釈書によると、
 世のあだなることは ・・・ 化野
 君が代の久しきを ・・・ 千代の古道
と詠むように、「恨み」の想いは「真葛原」に続けるとのこと。
また、真葛原には「(秋)風が吹く」も定番のようだ。







そんな真葛原、現在の円山公園に行ってきたが、外人ばかりであった。

【円山公園】


「名勝 圓山公園」の石碑。歴史的風土特別保存地区らしい。



修学旅行の生徒もいた



こちらは各国の外国人だらけ



背後の山は粟田山?



カメラの腕が悪いのか、iPhone7のカメラ機能が悪いのか、よく分からないが、これらの写真の数十倍の美しい光景が広がっていた。



このきれいな花は何だろう。外国人も激写していた。



これはヤマツツジかな





もう一つ、「恨み」関連ではないが、真葛原で有名な歌

深山より杉の風や通ふらん真葛ヶ原に露のこぼるる 順徳院














この辺りは古典文学の聖地です






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