すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


真野入江(まののいりえ)(滋賀県大津市)




むかし、真野川の河口付近には深い入江があり、素晴らしい景色であったようだ。ただし江戸時代に干拓のためにそれらの入江は埋め立てられてしまったという。
なお、現在の河口付近には見事な砂浜が広がっている。「日本の水泳場88選」にも選ばれ、夏は湖水浴客でにぎわうらしい。



冬の日の、入相ばかりなる頃に訪れた。


これが真野川。

この先「離合困難」の標識があったが、突進した。すると、橋も渡れず、本当に道がなくなってしまった。苦労してUターンし、国道経由で真野浜に向かった。



これが真野浜。
「海の家」でなく「湖の家」が何軒かあったが、当然冬の間は休業であった。対岸に近江富士といわれる三上山が見える。円錐形の美しい山である。



こちらは比良山の方向。
まさに「比良暮雪」



WIKIPEDIAによると、
「大きく張り出した地形と真野川の湖流から良型のブラックバスの住処となっており、バス釣り愛好家の間では琵琶湖を代表するウェーディングエリアとして知られている。」(真野(大津市))
とあった。



冬の夕方は、バス狙いのルアーマンもおらず、本当にさみしいところであった。







真野の入江を詠んだ歌の紹介


うづら鳴く真野の入江のはま風に尾花なみよる秋の夕暮 源俊頼(金葉集)

「尾花」はススキのこと。
ススキが広がっていたようだ




秋はただ入江ばかりの夕べかは月待つ空の真野の裏波 藤原定家

どちらも夕暮れの歌であった。
(季節は秋が良いようだ)







<現在の真野入江を発見>



真野ビーチから続く浜辺に、ボートを係留するためのものか、入江があった。



まさに真野の入江、
とっても感激しました!







下の地図の、右の尖状三角州のところが、現在の真野入江
JR湖西線の左にあるマーカーは、昔の入江の最深部にあたり、「真野入江跡」の石碑がある(らしい)。






「真野入江」の石碑のところは訪問地リストに入ってなかったので
今回行けてません。次回は訪れたいと思います。





copyright(C)2012 すさまじきもの 〜「歌枕」ゆかりの地☆探訪〜 all rights reserved.