すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


麻里布(まりふ)の浦(山口県岩国市)







今回の中国地方への旅では岩国市内でいろいろと訪問地を考えていた。

 ・有名な@「錦帯橋」、それとセットでA「岩国城」
 ・B「宇野千代生家」
 ・宇野千代の代表作「おはん」に登場するC「岩国旧市街地」、息子が死んだD「龍江淵」
 ・E「麻里布の浦」旧跡

結局、4泊5日の4日目で疲労困憊していたので@〜Dはパス、E「麻里布の浦」のみ現地滞在3分の旅程となってしまった。


「おはん」は宇野千代の作品の中で白眉だとされている。岩国旧市街地が舞台であり、せめてB「宇野千代生家」は行ってみたかった。









■「麻里布の浦」旧跡











え〜と、「麻里布の浦」は岩国の沖合のこと。遣新羅使たちが碇泊した。現在では錦川の堆積作用により陸地化している。旧跡とされている場所は昔は海辺か海の中だった。




遣新羅使が詠んだ万葉歌


眞楫(まかぢ)貫き船し行かずば見れど飽かぬ麻里布の浦に宿りせましを 万葉集

大船のかし振り立てて浜清き麻里布の浦に宿りかせまし 万葉集

妹が家道近くありせば見れど飽かぬ麻里布の浦を見せましものを 万葉集




この歌によると、昔の「麻里布の浦」は風光明媚な場所だったようだ。








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もしかすると滞在時間は1分だったかも知れません





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