すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


丸子(静岡市駿河区)



東海道の名所、丸子に行ってきた。
丸子といえば、名物「とろろ汁」。
山芋(自然薯)など、どこでも採れるもので、なにも丸子が名産地でもないのだが、やはり広重の東海道五十三次「丸子宿」で丁子屋がモチーフとして描かれたことで、全国的な名所になったのだろう。また、松尾芭蕉の句と、東海道中膝栗毛のエピソードも有名。
丸子宿の丁子屋は現在も営業していた。


広重の丸子宿、丁子屋。小さくて見にくいが、「名物 とろろ汁」の看板が立っている。



現在の丁子屋。
裏は観光バスの駐車場になっていて、観光名所になっている。


   
「名物 とろろ汁」の石碑。玄関前にある。









さて、東海道中膝栗毛のエピソード。
弥次郎兵衛と北八は丁子屋にたどり着き、名物のとろろ汁を食べようとしたが、折しも店内で夫婦ゲンカが始まり、挙句にとろろを投げ合って、それで足がすべって店内がむちゃくちゃになり、結局食べられなかったという話。


けんくわする夫婦は口をとがらして鳶(トンビ)とろろにすべりこそすれ 東海道中膝栗毛



敷地内に十返舎一九の碑









周辺にはいろいろな石碑・歌碑があった。




梅若菜 丸子の宿の とろろ汁  松尾芭蕉






人数には たれをするかの 丸子川 けわたす波は 音ばかりして 細川幽斉
「人数」とは武勇を立てるということ。
勇者は誰だろうか、私です。
マリを蹴るように波を蹴る。
そんな音がしたりして。
   






岡本かの子の石碑もあった。













到着したのが、朝食後すぐだったので、
名物とろろ汁は食べなかった。
再訪したい。






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